名古屋フィル第363回定期演奏会~11月の森

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名古屋フィルハーモニー交響楽団第363回定期演奏会

2009年11月13日(金)18:45開演
愛知県芸術劇場コンサートホール

指揮:広上淳一  ヴァイオリン:ボリス・ベルキン*

曲目:バックス/交響詩『11月の森』
    ブルッフ/ヴァイオリン協奏曲第1番ト短調 作品26*
    グリーグ/劇音楽『ペール・ギュント』第一組曲・第二組曲
    (アンコール:グリーグ/2つの悲しい旋律 作品34より
                  第2曲『過ぎにし春』)

名フィルの今月の定期は、京都市交響楽団常任指揮者の
広上淳一さんを迎えた、深まり行く秋にぴったりの
プログラムです。

イギリス近代の作曲家、アーノルド・バックスの作品は、
生で聴ける機会がほとんどないと言ってよいと思います。

1917年に作曲された交響詩『11月の森』は、
標題音楽ではなくバックス自身の重苦しく暗い心情や、
第一次世界大戦のもとでの暗い世情を表現したものだと
いうことです。

同じくイギリスの作曲家であるヴォーン=ウィリアムスも
ほぼ同じ時期の1918~21年に『田園交響曲』を書いて
いますが、これも田園の情景の描写というよりも、
戦争の暗さや平和への願いを感じさせる作品です。

日本で11月といえば「錦秋」「紅葉」が頭に浮かびますが、
10月の定期で演奏されたエルガーの交響曲第2番(1910~11年)
を含めたこれら一連のイギリス人作曲家の作品から欧州の
人たちが連想するのは『大英帝国の秋』なのでしょうね。

演奏のほうは、「暗さ」を表現しようという意図は強く
感じられたのですが、急いで会場に駆けつけた私のほうの
心身の準備が充分ではなかったのが残念でした。

特にこのようなシリアスな曲が冒頭に並んでいる場合、
コンサートには余裕を持って出かけたいですね。

広上さんの友人であるベルキンさんのソロによる
ブルッフの協奏曲は、ガッチリと骨太の表現が印象的でした。

この日の大収穫は、後半の『ペール・ギュント』です。
有名曲でありながら、まとめて聴く機会がなかなかない
この作品、広上さんと名フィルによる手堅く、しかも抜群の
コントロールの効いた演奏が楽しめました。

とりわけ、「オーセの死」「ソルヴェイグの歌」での
切々たる悲しみの表現、このような曲を深堀りさせれば、
広上さんは天下一品ですね。

そして、カーテンコールに応えて、広上さんがスピーチ。

27年前に名フィルの副指揮者になって名古屋に住んで
いたが、当時の音楽監督であった外山雄三さんと同じ
歳である51歳になったこと、名古屋に来る前に学んでいた
東京音大のオケと、外山さんが指揮する愛知県立芸大
オケが、11月に2日続けて演奏会をすることなど、
名古屋や名フィルとご自身の縁についてのお話でした。

そして「しゃべっただけで終わったら怒られますので」との
ことで、定期では珍しいアンコール、『過ぎにし春』も。
これもまた素晴らしい演奏でした。

次回の定期は12月11日(金)・12日(土)です。

ボルン/カルメン幻想曲
ドビュッシー(カプレ編)/『子供の領分』より「雪は踊っている」
ドビュッシー~ホリガー/アルドゥル・ノワール(黒い熱)
    ドビュッシーの「燃える炭火に照らされた夕べ」による
    (日本初演)
ジャレル/フルート協奏曲『…静寂の時…』(日本初演)
ストラヴィンスキー/バレエ『ペトルーシュカ』(1911年版)

ボルンとジャルレの作品のソリストは、
ベルリン・フィル首席奏者のエマニュエル・パユ。
指揮は常任指揮者のティエリー・フィッシャーです。

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広上さん指揮の新しいCDです。
ラフマニノフ: ピアノ協奏曲第3番, ピアノ・ソナタ第2番 / 及川浩治, 広上淳一, 新日本フィルハーモニー交響楽団





次回のメイン「ペトルーシュカ」の1911年版、
ピエール・ブーレーズ指揮の新旧の演奏です。






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