チェリビダッケ指揮ミュンヘン・フィル/ブルックナーの5番

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以前にこちらでも紹介しましたが、私は大指揮者セルジュ・チェリビダッケの演奏に、非常に多く感銘を受けました。

学生時代は、NHKFMでたびたびチェリビダッケ指揮のミュンヘン・フィルやシュトゥットガルト放送交響楽団の演奏会のライヴが放送されており、エアチェックして何度も聴いたものです。

また、チェリビダッケは生前に自身の演奏のCD化を認めなかったために、亡くなってから正規盤が発売されるまでは、おびただしい数の海賊盤が出ていたわけですが、私もCDショップに行くたびに、新しい海賊盤が出ていないか確認して、買い漁ったこともあります。

ちなみに、海賊盤は、来日したミュンヘン・フィルの団員さんも、こぞって買っていったとのことです。

今回、1986年にミュンヘン・フィルとともに来日した際、開館間もないサントリーホールで行われたライヴ録音が発売されました。
サントリーホール史上、伝説の名演と語り継がれている、ブルックナーの交響曲第5番の演奏です。

1986年の来日の際、私はこのライヴの5日前に、大阪のフェスティバルホールで行われた公演を聴いています。
曲目は、シューマンの交響曲第4番と、ムソルグスキー(ラヴェル編曲)の組曲「展覧会の絵」です。

この時のプログラムに、チェリビダッケが記したメッセージが、たいへん印象に残っています。
「私が日本の聴衆のためにやりたかったことが今回も実現できず残念です。次回に期待しましょう。」というものです。

この意味はいったいなんだったのでしょうか。
今回の来日公演は、最終日のサントリーホールのみがブルックナーで、それ以外は大阪と同じか、ブラームスの4番がメインのプログラムでした。
チェリビダッケは、日本でもっと多く、ブルックナーをとりあげたかったのでしょうか。

それはともかく、私はこの時に初めてチェリビダッケを生で聴いたのですが、その圧倒的な立体感に驚嘆した記憶が残っています。

「展覧会の絵」の冒頭、トランペットのソロによる「プロムナード」のフレーズひとつとっても、他の指揮者の演奏とはまるで違う。

録音は収まりきらない、チェリビダッケの超絶的な耳のよさによって、長時間のリハーサルで徹底的に磨きをかけたアンサンブルを堪能することができた一夜でした。

このブルックナーも、圧倒的なスケール、ゆったりとしたテンポと正確な音程による、実に説得力のある素晴らしい演奏です。

海賊盤や正規盤の一部の録音にみられるような冗長さもなく、全体的に適度の緊張感がみなぎっているのも、この演奏の長所として特筆できると思います。

この演奏会も、生で聴きたかったなあ。
もう、こんな指揮者は現れないのでしょうか。

Bruckner: Symphony No.5 / Selgiu Celibidache, Munich PO






こちらは、正規盤の「8番」です。

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