マーラー「復活」~ノリントンと山田一雄

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最近発売になった、マーラーの交響曲第2番「復活」のCDを続けて聴きました。

まず、サー・ロジャー・ノリントン指揮・シュトゥットガルト放送交響楽団の演奏によるもの(写真左)。

かくも鮮烈な葬送行進曲と光明に転じるフィナーレとの見事なコントラスト。マーラーが狙った響きの再創造を掲げるノリントンと手兵シュトゥットガルト放送響によるシリーズに、初めて合唱つきの大曲「復活」が登場します。
“モーツァルトやモンテヴェルディとおなじように、マーラーも歴史を意識して演奏されるべき、つまりピリオド・アプローチが必要なのです”と力説するノリントン。ステージ上で第1、第2ヴァイオリンを左右に振り分け、コントラバスを背後一列に並べる特徴的な楽器配置。弦楽器をはじめとする徹底したノンヴィブラート奏法。いつしか“シュトゥットガルト・サウンド”と呼ばれるようになった、こうした意欲溢れる試みの結果、美しいハーモニーと透明感のある響きがもたらされ、個々のフレーズは引き立ち振幅の大きな表現が可能となりました。たとえば第2楽章アンダンテ・モデラート。前作第5番のアダージェットでも顕著だったように、どこまでも澄み渡る美しさはほかに例をみません。さらに驚くべきは、クリアなサウンドが大編成の管弦楽にコーラスの加わるフィナーレでもまったく変わることなく確保されていること。
従来のマーラー演奏とのギャップで賛否両論を巻き起こしている当シリーズ、このたびの「復活」も大いに話題になるのは間違いありません。
キングインターナショナルのウェブサイトより転載)


確かに、第2楽章の天国的な雰囲気が、弦楽器がノンヴィブラートで奏することによって、非常に鮮明になることに驚きました。
何度も出てくるポルタメントの箇所など、現代の通常の演奏だと、ロマンティックすぎるように感じられます。

「マーラーが活躍していた頃は、まだピリオド奏法が主流であったのだから、そのように演奏するべきだ」という意味のことを、ノリントンはライナーノーツで述べています。
5番、2番だけでなく、ぜひ、全集を完成させてほしいと思います。

ノリントンの指揮する、ベートーヴェン「第九」のCDです。
ベートーヴェン:交響曲第9番ニ短調「合唱付」



次に、こちらでもご紹介した、山田一雄指揮の京都市交響楽団の演奏(写真左)。
1981年、京都会館第1ホールでの、京響創立25周年記念演奏会のライヴ録音です。

正直言って、オケの演奏のあちこちは、技術的に破綻しかかっています。
冒頭のコントラバスの急速な音階は、全く合っていませんし、管楽器の音程がかなり怪しい箇所も多い。

しかし、そのようなことなど、些細なことのようにしか感じられないほど、感動的な演奏でした。
「火山のようだ」と称された、ヤマカズさんの情熱がほとばしるような、強烈に鋭く熱い演奏です。
そして、実演に接した記憶に残っているよりも、遥かに豊かなカンタービレ。

この名演に大きく貢献しているのは、京都市立芸術大学の合唱団と、ベリョースカ合唱団(現・京都シティフィル合唱団)。
第5楽章コーダの「zu Gott wird es dich tragen!」、こんなに強く、長く伸ばしていいのでしょうか?
おそらく、ここだけでも、多くの聴き手はしびれるような感動を体験することができるでしょう。
私が高校生の頃、ヤマカズさん指揮による、ベートーヴェンの「第九」の第4楽章のリハーサル
を見に行った時に、非常に細かく、しかも厳しい練習をされていたことを思い出しました。

また、非常に懐かしく感じたのが、当時コンサートマスターであった尾花輝代允さんのソロ。
24歳で京響のコンマスに就任されて以来、常任指揮者不在で低迷していた京響を引っ張っていくという大役を務められていた方です。

音響的にも最低な京都会館でも、尾花さんの演奏はひときわ輝いて聴こえたものでした。
このCDでも、大きく美しい音色でオケを牽引する尾花さんのソロを聴くことができます。

実演に接した方や、ヤマカズさんや京響のファンの方はもちろん、多くの音楽ファンに触れていただきたい演奏だと思います。

京響/山田一雄のマーラー「復活」はタワーレコードでお求めください。

山田一雄の芸術 - マーラー:交響曲第2番「復活」、広瀬量平:管弦楽のための迦陵頻伽(カラヴィンカ)





こちらは、伊福部昭さんの作品を指揮したCDです。
伊福部昭交響作品集

尾花さんによるヴァイオリン演奏の解説ビデオです。
ヴァイオリンを弾こう(ビデオ)入門編


ヴァイオリンを弾こう(ビデオ)入門編



伊福部昭交響作品集

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この記事へのコメント

2007年12月09日 20:32
こんにちは。
初めてお邪魔します。

そして拙ブログへのTBありがとうございました。
この演奏を聴いて、こんなにも精神性の高い、山田芸術の真髄を見たような気がしましたです。

このような音源が残っているならば、山田さんの演奏、もっともっと聴いてみたいものですね。

またよろしくお願いいたします。
2008年01月13日 23:47
にこらすさま、コメントありがとうございます。
お返事遅くなり失礼しました。

ヤマカズさんのこの演奏、「こうあればいいのに」と、ずっと頭の中でイメージしていたものに、非常に近い演奏ですね。

実演は中学生の頃でしたので、この曲に対するイメージはまだ出来上がっていませんでいしたが、今、もしこの実演を聴いたら、きっと感動で立ち上がれないことでしょう。

当時のあの京響が、ここまで健闘していたというのも、ただ驚くばかりです。

これからも、いろいろご紹介してまいりますので、どうぞよろしくお願い申し上げます。

この記事へのトラックバック

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