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zoom RSS 広上淳一指揮/京都市交響楽団大阪特別公演

<<   作成日時 : 2009/04/13 01:00   >>

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京都市交響楽団 大阪特別公演

2009年4月12日(日)14:00開演 ザ・シンフォニーホール

指揮:広上淳一(京響常任指揮者) 独奏:山下洋輔(ピアノ)
曲目:ビゼー/「カルメン」組曲第1番
    ガーシュウィン/ラプソディー・イン・ブルー
    (アンコール:「枯葉」「スイングしなきゃ意味がない」)
    チャイコフスキー/交響曲第6番ロ短調「悲愴」 Op.74
    (アンコール:リャードフ/「8つのロシア民謡」より
                   第3曲「遅歌」)

リーガロイヤルホテルで食事をしたあと、
2003年に転勤で
大阪を離れて以来、6年ぶりに
ザ・シンフォニーホールにやってきました。

今日は、このブログでもたびたび紹介している指揮者の
広上淳一さんが、昨年4月から常任指揮者を勤めている
京都市交響楽団(京響)の大阪公演です。

広上さんの指揮するコンサートは
2007年7月の日本フィル横浜定期
以来1年9ヶ月ぶり、
京響を聴くのは2003年10月の京都での定期公演
(大友直人指揮・メインはリヒャルト・シュトラウスの「家庭交響曲」)以来、
なんと5年半ぶりです。

東京や神奈川の新しいホールも、もちろん素晴らしいのですが、
ザ・シンフォニーホールに来ると、ほどよいキャパシティと
温もりのあるサウンドが、なんともいえず心地よく感じます。

広上さんが京響のポストについて1年、このオケがどのように
進化しているのか、とても楽しみに聴きに出かけました。

1990年、32歳の頃に初めて京響を指揮した時の印象について、
広上さんは、ザ・シンフォニーホール情報誌「Sinfonia」に
このように語っていました。

「夏で暑くて、白服が汗でベトベトになったことしか覚えてない(笑)。
怖くてね・・・オーケストラが。最初挨拶してもシーンとしていて、
指揮棒を振り下ろしたときに、音が出なかったんだよ。
だから最悪の印象だったな。」

(「Sinfonia」から抜粋)

当時は、井上道義さんが久しぶりに常任のポストに就いた頃で、
京響はアンサンブル・柔軟性ともに、今と比較すればまだまだ
発展途上の時期であったと思います。

日本では日本フィルで足場を固め始めたばかりの広上さんにとって、
当時の京響からは、重苦しい雰囲気を感じずには
いられなかったのでしょうか。

その後、京響は、井上さん、ムントさん、大友さんという素晴らしい
常任指揮者の薫陶と、抜群の力量を持つ若手奏者の入団により、
1990年代半ばから目覚しくレベルアップしました。

今日の演奏会でも、オーボエの高山さん、クラリネットの小谷口さん
トランペットの菊本さんの好演が印象的でした。

また、今年2月に若手のホープ泉原隆志さん
コンサートマスターに就任し、さらに4月には
アシスタントコンサートマスターとして尾崎平さんが入団されるなど、
弦楽器も着実に進化を続けています。

広上さんは、京響について、さらにこのように語っておられます。

“端正で真摯”というのが京響の特徴なんですけど、
そこに“親しみやすさ”、悪く言えば“ある種のお行儀の悪さ”と
いうものを加えたいですね。彼らが持っている底抜けの明るさや
柔軟性、音楽性の豊かさを、物怖じすることなく表現することが
できれば、僕の仕事は大成功かなあと思います

(「Sinfonia」から抜粋)

なるほど、今日の演奏、とりわけ「悲愴」で広上さんがやりたかった
ことが、この言葉に凝縮されていたように思います。

第一楽章や第三楽章のクライマックスでは、アンサンブルが
かなり怪しくなるのですが、それをも厭わない、いや、むしろ
積極的にそれを望んでいるのではないかと思われるほど、
広上さんはオケを追い込んでいきます。

第三楽章のシンバルを、正確な拍子よりもかなり早く鳴らせて、
左指でグッド!とサインを出しているところなどからも、確信犯的
といえるでしょう。

もちろん、カンタービレは思い切り歌わせるのですが、
決して情緒的ではありません。
早めのテンポでグイグイ引っ張っていきます。

そして何よりユニークだったのは、第四楽章終結部のコントラバス。
心臓の拍音を表現するようなシンコペーションを、どのような音色と
音量で演奏させるか、ということを、この曲を聴く際、私はいつも
注目しています。

指揮者によって、大き目の音量で弾かせたり、ティンパニを重ねる
ことがあったりもしますが、ほとんどは、コントラバスはダウン・ダウ
ン・アップ・アップ、というボウイングで弾かせていると思います。

しかし、今日の広上さんは、最後の一音まで、アップ・ダウン・アッ
プ・ダウンと、全て交互に弓を返させていました。
死に直面した「悲愴」ではなく、生きることへの執着を感じさせます。

評論家からは批判を受けるかもしれませんが、私からすれば、
このような「悲愴」は大賛成です。
広上さんの狙いを、確実にモノにできた時の京響は、
日本のオケの最高水準に到達していることでしょう。

広上さんも、アンコールの前に、
「できればぜひ京都まで聴きにいらしてください」
と聴衆に語りかけていましたが、
「京都ではこんなに面白い演奏をしているんだよ!」というメッセージは、
今日の聴衆には確実に伝わったと思います。

名古屋から車で2時間、高速道路も安くなっていることですから、
ぜひ、また聴きに行きたいと思います。

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広上さんと京響の録音です。
もっと多くの曲がリリースされることを期待したいと思います。

渾身のヴェルディ・レクイエム/広上淳一、京都市交響楽団





京響の演奏からもう一枚。
今の京響とは、技術的には比べる対象になりませんが、
巨匠・ヤマカズさんのロマンティシズムがほとばしる、
傾聴すべき名演です。

ベートーヴェン:交響曲第9番/山田一雄、京都市交響楽団



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コメント(6件)

内 容 ニックネーム/日時
はじめまして、Tanyさん。
頂いたトラックバックを辿ってまいりました。

今回の広上&京響のチャイコフスキー「悲愴」。
私にとってはとても感動的な演奏でした。

シンフォニーホールの情報誌も、事前に読んで
いました。広上氏がやりたかったことの殆どが
演奏に反映されていたようですね。

ご指摘のアンサンブルが怪しくなるところです
が、オケの追い込み方が凄かったと思います。

第3楽章のシンバルは私も気づいていました。
あまり違和感がなかったのが不思議。むしろ、
早めの方が勢いがあり良いとさえ感じました。

つづく
にゃお10
URL
2009/04/14 23:45
つづき

そして第4楽章のコントラバス。ここってこれ
までこんな風だったけかなぁ?と思いました。
いままで気づかなかった旋律が沸いて出てきた
ような感覚でした。なるほどボウイングが通常
と違っていたのですね。

そういえば、「悲愴」という副題はフランス語
から来ているもので、母国語のロシア語では、
「情熱的」あるいは「熱情」という意味になる
らしく、生きることの執着心があのボウイング
に表われているというのは興味深いです。

広上氏が出演する京響の定演はすべて行こうと
思っています。今年は何れも週末の公演です。
Tanyさんもご事情が許せば、ぜひともお越しに
なってください。
にゃお10
URL
2009/04/14 23:45
にゃお10さん、コメントありがとうございます。
ほんとうに素晴らしい演奏でしたね。
名古屋からですので、金曜日には行けませんが、
土日の公演はぜひ聴きに行きたいと思います。
今後ともどうぞ宜しくお願い申し上げます。
Tany
2009/04/15 21:54
ごぶさたしております。昨日、平くんアシコン就任初の定期を聴いてきました。メンバーもかなり変わり、京響の組織も変わり、いろんな意味で重要な新年度のスタート、非常に気合のはいった演奏会でした。なかでも、シベ2は、いままでいろんな演奏を聴きましたが、稀にみる名演だったと思います。
土日の定期に、ぜひ、お越しくださいませ。
さらだぶてふ
2009/04/19 22:14
さらだぶてふさま、ごぶさたしております。
コメントありがとうございます。
そうですね、京都も近くなったので、また京響を聴きに行きたいと思います。
今後ともどうぞ宜しくお願い申し上げます。
Tany
2009/05/26 21:14
Tanyさま

今晩のNHK教育テレビで京響をやっていました。尾崎さんが映っていてびっくりしました!

そして、パソコンで調べていくと…
Tanyさまのブログにも辿りつきました。

凄い!色々と繋がっているんですね〜

そして、京響がこれからも、関東圏に向けて
情報を発信し続けて欲しいと願っています。

Tanyさまのブログでも、コンサートの様子など
取り上げていただけると嬉しいです。

新浦安の片隅から、楽しみにしています。
ちあき
2009/08/30 23:46

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